相続対策のアパート経営で失敗?デメリットは?
川淵FP川淵FP

資産家の方は相続税の対策も必要です。アパート経営も勧められるケースも多いのですが、実際はどうなんでしょうか。

まず、相続税の計算方法をチェック。税率はどのくらい?

平成27年に相続税法が大改正され、相続税は課税されやすくなりました。

 

相続税を計算する際の「基礎控除額」が、

  • <改正前> 5000万円+1000万円×法定相続人数
  • <改正後> 3000万円+ 600万円×法定相続人数

と、4割カットされました。

 

例えば、法定相続人が、妻と子ども二人の場合(合計3人)は、

  • <改正前> 5000万円+1000万円×3人=8000万円
  • <改正後> 3000万円+ 600万円×3人=4800万円 となります。

 

また、税率も高くなりました。

1億円を超える取得額での税率と控除額は次のとおり改正されました。

  • 1億円超~2億円の場合  税率 40% 控除額 1700万円
  • 億円超~3億円の場合  税率 45% 控除額 2700万円
  • 億円超~6億円の場合  税率 50% 控除額 4200万円
  • 億円超の場合      税率 55% 控除額 7200万円

 

相続税の計算は複雑ですから専門家に任せるのが一般的ですが、遺産の相続自体で揉めることも多いので、早め早めに対策を講じておく必要があります。

また、人口減少からくる税収減少で、再度相続税がターゲットにされる可能性もあります。

税法改正のニュースにも注意していくことが必要です。

 

不動産の相続対策でアパート経営。人気の理由。

さて、相続税の計算を行う際、不動産の評価については「評価額」を用いて計算します。

相続税の節税のために評価額を下げた方がいいのですが、アパート等の賃貸物件を建てた方が評価額が下がるのです。

「土地の有効活用」というやつです。

 

また、アパートを建てる際にローン(アパートローン)を組めば債務控除も適用されますから、さらに節税することができます。

 

そして、家賃収入も得ることができますから、資産運用としても効果があります。

相続対策のアパート経営で失敗してしまうのは?

メリットばかりを見るととても良さそうなアパート経営ですが、アパート経営も事業です。

難しい面がたくさんあります。

 

スタートから数年は問題ないようでも、退去時には部屋のクリーニング代もかかりますし、入居募集の費用もかかってきます。

建物に傷みが出てくれば、修繕もしなければいけません。

 

建物が古くなれば家賃を下げないといけなくなることもありますし、空き室が出てくることもあります。

そうなると家賃収入が下がってきますから、当初よりもアパート経営での利回りは悪くなってきます。

 

そして、怖いのがアパートローンです。

節税になるから、と借入金を多くしてしまうと後々アパートローンの支払いに悩むことになります。

 

アパートローンは住宅ローンとは全く違います。

金利も違うし、返済期間も違います。

借り換えも通常の住宅ローンに比べると難しいローンです。

 

アパートローンの返済期間は建物の法定耐用年数で決定されることが一般的なので、木造だと22年しかありません。

返済期間が短いと、毎月の返済額は大きくなってしまいます。

 

空き室が増えてきたり、建物の修繕費がかさんでくると、アパートローンの返済に窮することもあります。

 

2020年代に入ると人口減少は加速していきます。

相続対策だけでなく、副業や老後資金対策でアパート経営を始める人もいますが、安易にスタートすると失敗します。

アパート経営のメリットだけを見ずにデメリットともしっかり向き合って考えるようにしましょう。